第3回2083ゼミ合宿レポート(2日目)

合宿2日目!だよ!

ゼミ合宿2日目のレポート担当は、遅ればせながらスマホゲームにも最近手を出し始めたなかむらが担当します。
今日のレポートは、2日目企画の1つであるディスカッションタイムでの議題「なぜ私たちはゲーム音楽が好きなのか」を中心にお伝えできればと思います。

さてさて、前日4時くらいまで起きていたゼミメンバーを尻目に、無常にも時計の針はゼミ開始時刻の9時を告げます。

そんなゼミメンバーの目を覚ますには、体操が一番…。ということで朝イチの活動は、今流行りのようかい体操!
ようかいたいそう

体をほぐしても眠いことを妖怪のせいにしながら、ゼミ合宿2日目スタートです。

2日目、最初のプログラムは小研究発表。
普段、ゲームやゲーム音楽に対して考えていることを、各メンバーがゼミメンバー内で発表する企画です。
各人の発表内容はもちろんのこと、それに対する議論もアツい!ということで、毎年恒例企画となっています。
今年のゼミ合宿では2日目と3日目の2日間に渡って行われました。

ちなみに現在、2083ゼミ全体として取り組んでいる研究内容は12月のゼミで発表する予定ですので、こちらもお見逃しなく!

さて今回、2日目の小研究発表で発表されたテーマに関して、ずずずずいっと説明させていただきますぞ。
いずれのテーマもTwitterでは実況させてもらいましたが、興味を持って頂いた発表はあったでしょうか?
メンバー間での意見交換・新しい知見の発見等が今回も多くあり、また1つ、ゲーム音楽研究にあたっての視点が広がったように思えます。

■2014/10/18(土)の小研究発表内容

①コーラスのあるゲーム音楽について

合唱の形態を整理しながら、コーラスのあるゲーム音楽の紹介、合唱曲が流れる場面の考察が紹介されました。

②音ゲーから見たゲーム音楽

音ゲーの音楽は、ゲーム音楽として見られてないのでは?という疑問から生まれたテーマです。
音ゲーの曲は短い時間の中で、いかに印象づけるかという点で「ゲーム音楽」と共通項はあり、研究対象としたいという主張でした。

③飲食店でゲーム音楽を流そう

1日の時間の流れとカフェの運営形態を関連づけて、名時間帯で流すのに適しているゲーム音楽を紹介してもらいました。

④ゲームプレイのハードルを下げるためには

「ゲーム音楽は、ゲームをプレイした上で聴くのが一番楽しめる」と考えた場合、ゲームをプレイするまでのハードル(例:据え置き機が買えない)はどのようにすれば下げられるか?という疑問から生まれた発表です。

⑤ゲーム音楽はプログレなのか?

プログレとして定義されている楽曲を聴き直し、プログレとゲーム音楽の共通項を探る試みでした。

お昼をはさみ、午後からはディスカッションタイム!テーマは「なぜ私たちはゲーム音楽が好きなのか。」
今回のレポートではディスカッションの概要をお伝えします。
概要とは言え長文になりますが、私たち2083ゼミの活動の中でもとくに濃密な時間を通じて得られた成果であり、ぜひともお読みになって頂ければと思います。
今思い返しても、長時間に渡って白熱した議論が行えたことに、少なからず満足感を覚えています。

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■2014/10/18(土) ディスカッション企画

(1)テーマ

「なぜ私達はゲーム音楽が好きなのか。」

(2)挙げられた仮説

①J-POP、クラシック等は作曲家(バンド)の手による純粋な音楽作品であるが、ゲーム音楽は、シナリオ・絵・プログラム等と共にゲームを構成する一部であるため、キャラやシチュエーション等、付加される情報量が多いためでは?
②ゲームはストーリー・音楽・絵・プログラム等の総合芸術であり、その作品性と音楽が切り離せないためでは?

このような仮説が挙げられましたが、映画・アニメ音楽、TVCM曲、クラシック等でも同様のことが言える場合もあるため、「ゲーム音楽にしかない」要素とは一体何なのかと考えました。

(3)「ゲーム音楽にしかない」要素とは

J-POPやクラシックなどは基本的に既に作られた作品や世界観を受動的に鑑賞する聴き方がメインとなりますが、ゲーム音楽は作品内の世界に対して(擬似的に)プレイヤー自身としてストーリーに関わりをもった上での聴き方ができます。
ゲームのエンドロールには「プレイヤー自身もこの作品の一部ですよ」ということを意味する『AND YOU』という表現がよく使われますが、この「プレイヤーが参加する」という行為が、音楽への愛着を強固なものとしており「ゲーム音楽」という音楽ジャンルを特別なものにしているという説が出されました。

(4)ゲーム音楽への興味の深まりの3段階

様々な議論を経て、ゲーム音楽への興味を深めていくにあたっては、下記の3段階があるのではないかと考えました。

■第1段階 「ゲームそのものを楽しむ」
(BGMとして聴く、この時点では曲はあまり意識しない)

■第2段階 「ゲームから切り離し、ゲーム音楽単体で楽しむ」
(サントラ、録音、演奏、etc…)

■第3段階 「ゲーム音楽そのものに興味を持つ」
(作曲家を意識して聴く、アレンジ版、未プレイの曲も聴く、人に曲を薦める、etc…)

さらに、第3段階の先についての案が出されました。

(5)未完成な音楽への「参加」

第3段階までは、ゲーム音楽を「聴く」という行為を通じた楽しみ方でしたが、ゲーム音楽を「演奏する」という行為を通じて楽しむ方々(アマチュア奏者・楽団等)もいます。
ゲームには、機器や容量の制約や作り手の意図によって表現されなかった箇所があるために、ゲーム音楽は「未完成」なものであると考えることもできます。
そこをオーケストラや吹奏楽という編成で再現したり、アレンジャー自身の解釈や色を出したりすることで、表現されなかった箇所を自分達で補完し、受け手でありながら創作する側に回るという、参加型の創作行為が近年では多く見受けられるようになりました。

「未完成」な存在であり「創作者」の一員として加わる余地があることが、ゲーム音楽の特別性の一種と言えるならば、
ゲーム音楽に対して自分達の手を加え、表現行為を楽しむ行為は、第3段階を更に超えた第4段階の楽しみ方(※楽しみ方の優劣を述べているわけではなく)と言えるのかもしれません。

(6)まとめ

「ゲーム音楽が(特別に)好き」な理由として、下記2点があるのではないかという結論に至りました。
①ゲームのストーリーに対して、プレイヤーとして「参加」しながら聴く音楽であること。
②「未完成」な音楽であるがゆえに、創作サイドとして「参加」する余地のあること。

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ディスカッション後、夜の部では、ゲーム音楽かるた・マリカー大会・スマブラ大会・飲み会等…普段のゼミではなかなかできない楽しみ方で、各々が楽しく夜を過ごしましたとさ。

明日は最終日!2083ゼミの糖分もとい広報担当のななどら君のレポートです!